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2025年09月22日

岡山龍谷高等学校

【岡山龍谷高等学校】笠岡湾干拓地の創成緑地における変形菌群集の調査

笠岡湾干拓地は、海面1,811haを埋め立て1990年に完成しました。大部分は農業用地として利用されていますが、その西側の一部は工業用地としてJFEが利用しています。

干拓地は現在までに35年経過した創成環境で、自然復元も進んでいます。高校生物基礎では裸地からの植生遷移について学びますが、生態系の構成員である微生物については説明がありません。そこで、私たちは新規な環境において微生物の多様性は復元しているのかに関心を持ちました。

 

変形菌は腐植で生活する微生物の仲間で、落枝にも多くの種類が分布しています。そこで、探究活動の時間を使って、落枝生の変形菌相を人為的環境下にある干拓地と都市公園の緑地で比較することにしました。

 

干拓地の創成緑地として「太陽の丘公園」(干拓地東側)と「JFE」ゴルフ場アクセス道路沿い緑地を調査地に設定しました。また、都市内の緑地公園は福山城公園と笠岡古城山公園を調査地にしました。4月に計画を立て、5月までに4つの調査地で立木の樹下から落枝を採取しました。落枝は理科実験室でペトリ皿に並べて湿し、湿室培養をしました。約2か月が経過した7月になると、落枝に変形菌のアメーバ(変形体)が出現し、ペトリ皿内を這いまわりました。

 

夏休みが明けてから子実体の顕微鏡観察を始め、変形菌の種類を図鑑で調べています。干拓地の自然復元は都市公園と違っているのか、探究が楽しみになっています。