公益財団法人 中谷医工計測技術振興財団 公益財団法人 中谷医工計測技術振興財団

事業紹介 活動Now!

2023年07月12日

山梨英和学院 山梨英和高等学校

【山梨英和学院 山梨英和高等学校】甲武信ユネスコエコパークのキシャヤスデの分布

奥秩父地方(甲武信エコパーク)や山梨県北部山岳地方の冷温帯(標高1,000m以上)に生息する固有種であるキシャヤスデは生息域を年々狭め、個体数を減らしながら2020年現在、奥秩父個体群は柳沢峠(標高1,300m)付近まで生息下限域を狭め生息下限を上昇させてきた。

 

生息域と非生息域(上限と下限)の境界をラミナータラインと定めて、8年間に1回、7齢時に地上を徘徊するこの期(大発生)前後を貴重なチャンスとして部員6名で研究を継続することにした。

キシャヤスデを飼育して行動様式(走性)や越冬行動を観察、次いで成虫(8年周期 同調性)となった個体の生殖・生理等について研究考察したい。一方、特異的な運動を観察・実験して物理量を計算する定量的研究進める中で、古生代からほぼ同一形態のまま3億年を生き伸びた遺存種の知恵にも接近したい。一方、山梨県北部の八ヶ岳の標高1,300m以上のカラマツ林には、奥秩父群とは生活サイクルが4年ずれた同調グループ(八ヶ岳群)が住みわけているため、4年間先行する八ヶ岳群では調査地点38箇所を比較群として、生息域の上昇速度(衰退速度)と同時に次回の発生個体数の推定をを目指す。

秩父群の北、孤立した志賀坂群の消息や八ヶ岳群の2年連続した個体群は存在するのかについても研究している。

  • 霧ヶ峰の採集 霧ヶ峰の採集