公益財団法人 中谷医工計測技術振興財団 公益財団法人 中谷医工計測技術振興財団

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2022年08月05日

京都教育大学附属京都小中学校

【京都教育大学附属京都小中学校】京都と福島をつなぐ空を見つめて② ~安達高校(7/30)~

福島で過ごす2日目の午後、浜通りから中通りへ移動し、安達高校を訪れました。この日は、請戸小学校で被災の後を直視し、コミュタン福島にて放射線について学んでいましたので、生徒の心には、津波の被害と放射線への理解が揺れ動く中での、安達高校の生徒さんとの出会いとなりました。

 

安達高校8名の生徒さんとは、「10年後私たちが再開した時、福島はどうなっているのだろう。」というテーマのもと、対話をスタートしていきました。

 

4つのグループでディスカッションされた内容で共通していたのは、以下の3点です。

 

① 帰還困難区域を、解除していくこと

② 風評被害を無くすこと

③ 新しいエネルギーの在り方とそのために構築すべきこと

 

そのどれもが「だれもが住みやすい町づくり」というのが根底にありました。安達高校の皆さんは、京都の生徒たちの考えを汲み取りながらも、自分たちの考えをはっきりと力強く伝えてくれました。そして、福島への愛に溢れた主張でした。交流後、明らかに安達の生徒の表情に変化が見られました。

 

福島は完全に元通りにはならないということは、この10年で福島に住む大人たちは身に沁みて感じてきました。そして、過去の震災経験からはじき出した国の復興施策と住民との間で、もがきながら歩み寄りや痛み分けを経てどのように双方の合意形成へつなげるのか、その過程そのものも復興です。その復興の過程に立ち会うことになる福島の高校生と「福島について学ぶ」京都の生徒たちとの交流だからこそ、アイデア×アイデアの爆発が起き、「奇跡のような時間」を体験することができました。

 

10年後、本当にまた再会できたのなら、きっとまたすてきな対話ができるだろう、とそんな希望を感じることができた交流会となりました。