公益財団法人 中谷医工計測技術振興財団 公益財団法人 中谷医工計測技術振興財団

事業紹介 活動Now!

2022年11月21日

芝山町立芝山中学校

【芝山町立芝山中学校】第2学年 放射線とその利用 放射線の性質を理解しよう

千葉県は古墳がとても多く、約12000基以上も存在している。特に芝山町一帯は遺跡が豊富で、学校付近だけでなく公園や、国道のすぐ脇など、いたる所に古代の遺跡が残されている。また、遺跡の中には埴輪や土器などが残されており、5世紀後半から7世紀始めまで、文字がほとんど残されていない当時の歴史や生活を知る大きな手がかりとなっている。

 

これらのことから芝山町では、出土したはにわのおおらかな表情を見て、町民が心をひとつに合わせられる古代の祭りを起こし、豊かな町づくりをしようと、7名の町の有志の発案で昭和57年(1982)に「はにわ祭り」が始まった。

今年は、4年ぶりに1113日(日)、規模を縮小して開催し、生徒も「巫女」や「古代人」に扮して参加した。このように古墳や埴輪・土器は、芝山町にとって大きな財産となっている。

生徒たちは小学校の頃から、総合的な学習の時間等において、町の歴史や文化について学習するために、古墳や埴輪・土器について調査活動を行っているが、これら出土物の年代がどのくらい古いものなのか主体的に調査した経験はない。そこで、科学的な見地から放射性炭素年代測定により、試料の放射性炭素(C14)の量を測定し、国際的に使用されている標準物質と比較することによって出土物の時代を推定する方法を紹介した。その前提となる放射線について第2学年で、学習する「放射線とその利用」の単元を発展させた学習を行った。

 

放射線は目に見ることができないため、放射線の存在を実感できない生徒が多数いる。更に、普段の授業では放射線の性質や身近な放射線の利用の例を紹介する程度の学習となっているため学習が深まらないのが実態である。

本授業では、日本科学技術振興財団の方に来校いただき「放射線に関する出前授業」による霧箱実験を行った。実験では、線源から何かが放出された跡を観測することができ、放射線の存在を実感できた生徒が多くいた。この実験から、放射線を利用することで出土物の年代測定ができることを理解することができた。