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2021年10月29日

小樽市立銭函小学校

【小樽市立銭函小学校】親子科学体験教室【縄文時代の小樽を探ろう】

10月23日(土)に、親子科学体験教室【縄文時代の小樽を探ろう】を開催しました。

今年7月北海道北東北の縄文遺跡群がユネスコの世界遺産に登録されたことを受け、市民の関心が高まっていることなどを背景に、この講座を開催することにしました。

 

きっかけは、他の講座の打ち合わせの時に、小樽にも世界遺産の候補となった遺跡や日本で最初に発見された環状列石があること、市民にはあまり知られていないこと等を、講師の先生から聞いたことでした。縄文人が天文学的な見地から祭場とする土地を選んでいた事には、共同実施校のメンバー一同驚かされました。

私たちは早速、縄文人が見た景色を検証しようと、夏至の夕日を撮影するため数日間にわたり遺跡でカメラを構えました。

 

雲や蚊に阻まれながら、なんとか撮影できたのがこの写真です。

祭場か墓地と考えられているこの遺跡からは、夏至の夕日がシリパ岬に沈みます。そしてこの周辺の3つの遺跡は全て、この岬の先端から運んだ石で形成されているのです。

 

科学、歴史、ロマンetc…の集合体のようなこの場所をなんとか教材にしたい、子ども達にも体験してもらいたいと、講座の実施につながったのです。

5組10名の親子の参加があり、講師の先生と共同実施校の教員メンバーで運営しました。

1万年も前の遺跡の石も科学的に検証することでどこの石か特定できること、遺跡に含まれる花粉から当時の気温や気候が推定できること、「夏至」という1年に1度しかないの日没の位置を縄文人が特別に捉えていたこと等に、子どもも大人も一様に驚いていました。

 

「夏至ってわかっていたのか不思議」

「10kmも離れたところから、どうやってこんな大きな石を運んだんだろう」

「場所や物のつながりについてよくわかった」

 

科学の広がりと可能性を感じてもらえた講座となりました。