公益財団法人 中谷医工計測技術振興財団 公益財団法人 中谷医工計測技術振興財団

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2021年10月14日

小樽市立銭函小学校

【小樽市立銭函小学校】親子科学体験教室【小樽軟石のひみつ】

10月9日(土)に、親子科学体験教室【小樽軟石のひみつ】を開催しました。

 

小樽の歴史的建造物に多く見られる石造倉庫群にスポットを当て、地域の自然環境である地質を資源として利用し発展してきた文化を学ぶことを目的としました。

 

小樽の石造倉庫の多くは、札幌軟石(支笏火砕流由来の溶結凝灰岩)で造られていますが、一部は小樽産の凝灰岩が使われており小樽軟石と呼ばれています。今回は、歴史の先生と岩石の先生お二人を講師に迎え、この2種類の石がどのように違うのか、どのように活用されたのか、実際の倉庫を内側からも外側からも観察し、実際の採石場の跡地を見学しました。

 

今回も感染症対策として、バス座席の半数を定員として参加者と募りました。7組17名の親子と、3名の共同実施校の教員が参加しました。

事前の打ち合わせでは(石造りの倉庫)を教材とするには、その情報が多岐にわたりすぎて子ども達には複雑すぎることが懸念されました。

 

火山の噴出物という点では理科であり、歴史的建造物としては社会の観点もあります。小樽市では近年、ふるさと学習(総合的な学習の時間)として小樽の歴史を学ぶ取り組みもすすめているので、(倉庫業と小樽の発展)や(小樽運河との関わり)などの部分はふるさと学習に託すことにして、火山の噴出物が石材になることや、そもそも小樽は火山でできていることなどの、理科的地質的な部分をベースとして組み立てていきました。(札幌軟石)と(小樽軟石)の見分け方も、その石材のでき方の違いに着目しながら、徐々に大人も子どもも見分けることができるようになっていきました。

実際の採石場跡の海岸では、白っぽい軟石からどうして真っ黒の砂鉄が出てくるのかなどの疑問について、子ども達は、考えたり採集したりしながら、講師の先生のお話に納得していました。

 

講師をしていただいた大学の先生は、かつては小中学校の教師を務められていた方です。一見小学生には難しそうに思われる火山や大陸移動のお話も、自作の紙芝居を使いながら、大胆にポイントをしぼったわかりやすい説明で、子ども達を十分納得させていました。私たち共同実施校の教員にとっては、内容はもちろんその手法も勉強になりました。

 

参加した子ども達からは、

「石にも種類があって、その特徴によって使われている場所がちがうんだなと思いました。小樽ってけっこうすごいんだなと思いました。話がわかりやすくて勉強になりました。」

「防空壕を初めて見たり、砂鉄を採ったり、小樽軟石を拾ったりして楽しかったです。」

 

保護者からは、

「地質や建造物などの魅力がわかり、何気なく目にしている景色や風景により興味を持って見ることができるようになりました。とても楽しかったです。」

「想像以上に、面白かったです。今まで気にしたこともない部分や歴史にふれる事ができて、大人も子供も楽しめました!講師の方々のテーマに対する熱い思いがすごく伝わってきました!また参加したいです。」

などの声が寄せられました。