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2022年04月27日 アドバンスト

ジョージア州ジョージア工科大学滞在記

こんにちは、2022年の2月からアメリカのAtlantaという都市にあるGeorgia Institute of Technologyという大学で人工臓器の研究をしている前川瑠里です。

 

私の日本の大学での専門は応用化学ですがアメリカではBiomedical Engineering の専門の研究室で研究しています。生物の知識は多くはありませんでしたが、高山先生のされているオルガノイド(人工臓器)の研究が非常に興味深かったのでARIPプログラムの時に研究したいと思い希望しました。

 

(LABでの研究について)

 

Clean benchにも座ったことがないくらい生物に関して素人でしたが1、2週間で自分の研究に関して用いる培養の手法を習得しました。

 

私がShu Lab で良かったなと思う点は主に3つあります。一つ目はテーマを決めるときに高山先生の方から「何に興味がある?何がしたい?」と聞いて下さり、直接教授と議論して自分の興味のあるテーマをさせてもらえたことが嬉しかったです。このように教授からテーマが自動的に降ってくるのではなく、あくまでも自分のしたい興味分野を提案できることでテーマへの愛着もわきました。

二つ目はアメリカで共同研究をする機会を得られたことです。

特に私の研究は近くのEmory Universityとの共同研究だったのでEmoryの医学博士を持っている研究者の方にresearchの結果をmeetingで報告する機会を頂けたのはとても新鮮で楽しかったです。

 

このように医学の盛んなEmory Universityが近くにあるので立地的に共同研究がしやすく物質面でもすぐに共同研究先に物質が届けられることはAtlantaのメリットかもしれません。(実際に共同研究先のEmoryから実験で使うcellをもらったりしていました。)

三つ目はLabの雰囲気です。LabのMeeting内でgrand申請の話をしたり、いい結果が出たらPublishしていこうという勢いは日本と違うなと思いました。

実際春に行って運が良かったこともありますが2本程論文をだそうか!という話になったので非常に嬉しかったです。

 

Labのメンバーは非常にみんな親切で台湾、イギリス、韓国等色々な国から来ていたので違う国の話を直接知れたのはいいきっかけでした。又デスクでワークしてる時にcoffeeを飲みに行かない?と誘ってくれたり、家で作ったクッキ―やケーキを持ってきてくれる人がいるのもShu Lab の素敵なところでした。

(Lab以外の活動)

 

①豚の解剖の実験

 

Georgia tech の南側に動物実験の許可が下りているEmory Universityの大きな研究所があります。そこで豚の解剖実験を特別に見学させていただくことができました。

解剖の現場で初めて生きた豚の心臓を直接触ることができたことはとてもいい経験でした。

 

アメリカの医学部は面接での印象が重要になるらしくあまりにもがりがりだと自分の健康の管理は出来てるのか?とあまりいい印象にならないようです。(嘘かほんとかわかりませんが)

なのでオペをしている外科医の人たちがムキムキなのが印象的でした。Emoryのlabですが3回ほど通い最後にはlab pictureのように写真をみなさんと撮ってもらいました。

②Georgia tech 実験のお手伝いバイト

 

-医療用ロボットの実験-

友達が医療用ロボットの実験をしていて被験者を手伝ってほしいと言われたのでGeorgia techで被験者のバイトをしました。高くはないですがお給料もでます。

 

Georgia techは理系が強いので友達が面白いプロジェクトをしていたらlabに遊びに行けるのが良いところです。こう言ったところで教授の方とも仲良くなれます。

(平日)

 

朝は基本的に10:00からLABに行って16:30くらいに帰る生活をしていました。コロナのこともあり在宅でworkしている人もいます。

 

日本のLABは朝9:00にきて夜19:00、20:00に帰るみたいなところも少なくないのかなと思うとLABの時間は大きな違いでした。

特に金曜日の夜はHappy Friday ということもありMentorやLabのmemberと一緒に仕事を早く切り上げてご飯を食べに行くというのも日課でした。

(土日)

 

Labの人にHikingに連れて行ってもらったり、去年の夏のMentor(私はRICE program の時にもGeorgia Tech の他のLABShewanwllaという微生物の研究をしていました。)と一緒に郊外の家でhome partyをしたりしています。

Home partyでは彼女らにSushiの作り方を私が教えてもらい、日本にきて文化体験している海外の人の気持ちになりました。

 

アメリカのSushi は確かに日本のものとは違いますが私は日本のものより大好きです。

Stanford University)

 

アトランタでGeorgia tech で研究を終えてから日本に帰るまでにStanford Universityを訪問していました。

 

心臓の人工臓器の研究をしている先生や医学データの解析をしている研究員の方と話をしてきました。Stanford Universityはさすが私立というような広大なキャンパスでした。

 

Stanford の特徴の一つとして”Design”というものがあります。これは何かというと研究開発のシーズと現場のニーズをマッチングしてあらたな産業を生むというものです。

 

たまたまStanford Universityの研究者の方と話をしている時に一人Stanford に有名な日本の教授(池野文昭先生)がいると教えてもらいました。TEDにも出るような先生であり、日本とカリフォルニアを年間に何回も往復しているかたなのでまさか会えるとは思っていなかったのですが、その後たまたま池野先生が私たちが話している横の道を歩いてこられ、声をかけることに成功しました。とても気さくな先生でFace Book も交換して下さり、名刺も頂けたのでやはり現地にきて良かったなと思いました。

 

Stanford Universityはやはり近くにシリコンバレーがあることからPure なサイエンスというよりもやはり応用面の研究に力を入れている印象でした。私はもともといつか自分で見つけたシーズでバイオベンチャーとかやってみたいと思っていたのでまたいつかここのキャンパスに戻ってこよう!と思いながら飛行機に乗りました。