公益財団法人 中谷財団 公益財団法人 中谷財団

国際学生交流プログラム助成 グローバルNow!

2025年11月07日 RIES(日)

留学生メンター体験記:共に研究を進める楽しさと新たな発見

東北大工学部4年 加藤 駿典

 

東北大学工学部電気情報物理工学科4年の加藤駿典と申します。私は6月から2ヶ月ほど、米国ジョージア工科大学からの留学生のメンターを務めさせていただきました。この経験を通して得られた気づきや学びを、僭越ながら共有させていただければと思います。

研究で使用した熱延伸装置の前にて

私は東北大学の学際科学研究科のプログラム(FRIS URO)を利用して、2年生の頃から郭媛元先生の指導のもとで研究に取り組んで来ました。

3年生の時にはOIST(沖縄科学技術大学院大学)に滞在する機会もいただき、そこでもメンターの研究者から多くのことを学びました。

 

これまで指導を受ける立場だった私が、未熟ながらも今回メンターを務める機会をいただけたことを、とても光栄に思っています。

 

私が取り組んでいる研究テーマを留学生にサポートしてもらう形でプロジェクトをスタートしました。

まずは、研究背景と目的を共有することから始めました。うまく伝えられるか不安でしたが、留学生はとても意欲的で、すぐに理解してくれました。

 

当時の私の研究テーマは手法の確立を目指す段階だったため、多くの課題が存在していました。手順を覚えれば進められるような内容は少なく、毎回試行錯誤しながら、よりよい条件や手法を探す必要がありました。

私がメンターとして行ったのは、生じている課題と、過去に試みたアプローチ、そして成功の可能性があるアイデアをできるだけ詳細に伝えることです。それに対して留学生からも意見をもらい、議論を重ねた上で指針を決定し、必要に応じて技術的なサポートを行いました。私のこれまでのメンターは、学生のアイデアを尊重し、その実現のためのサポートを惜しみませんでした。未熟ながらも、私もそれに近いことができればと尽力しました。

 

形式上は私がメンターという立場でしたが、留学生が積極的に意見を出し、主体的に実験を進めてくれたおかげで、共同研究のような形でプロジェクトを進めることができました。また、ディスカッションの中で出される疑問点やアイデアは、私一人では気が付かなかったことばかりでした。実際、留学生が協力してくれた2ヶ月間は、研究を大きく進展させることができました。

受け入れ前は不安を感じていましたが、振り返ってみると、一緒に研究を楽しめる仲間が増えた、素晴らしい経験でした。

「教えることが負担になるのでは?」と懸念していましたが、結果的には最高の学び直しの機会になったと感じています。

 

また、留学生は幅広い分野に関心を持っていたため、滞在期間の後半には研究室の他のメンバーが進めるプロジェクトにも参加してもらいました。

学部生の早い段階で多様な研究テーマに触れることは、自身の関心や適性を見極め、視野を広げる上で非常に重要だと感じています。

微力ながらも、そうした学びの機会を提供できたことを、とても嬉しく思っています。

言葉の壁も特に問題にはなりませんでした。私は英語がそこまで得意ではありませんが、図やジェスチャーを多用すれば十分にコミュニケーションを取ることができました(伝わっていたと信じたいですね)。また、担当した留学生は日本語の勉強中だったため、実験の待ち時間には日本語を教える代わりに英語を教えてもらっていました。おかげでアメリカの若者の流行語を習得できました。心から感謝しています。

 

メンターとして至らぬ点もあったかと思いますが、お互いに充実した楽しい時間を過ごせたと感じています。また、この活動を通してBest Mentor Awardをいただけたことを、大変光栄に思います。

留学生のメンターは、自分自身にとっても得がたい学びの機会となりますので、ぜひ多くの方にお勧めしたいです。