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2025年01月21日「2024年度 科学教育振興助成 成果発表会」を開催しました
2024年12月21日(土)~22日(日)、「2024年度 科学教育振興助成 成果発表会」を開催しました。
本年度の科学教育振興助成に採択された学校の児童・生徒や引率の先生方が会場の東京工科大学 蒲田キャンパスに集まり、2日間の参加人数はのべ850人以上と過去最高を更新しました。
「過去最高」となったのは参加人数ばかりではなく、「年々、子どもたちがレベルアップしていますね」との言葉があちこちから聞かれたように、各校の児童・生徒たちが取り組んできた研究内容や、様々な工夫を凝らした発表、その発表に対する質問内容も充実したものになっていました。
1日目(21日)の口頭発表では、発表校24校・聴講校65校の合計322名が参加しました。
希望発表校は、申込時に抽選となるほどの狭き関門で、小学生による発表も2校あり、緊張した表情を見せながらも、練習を積み重ねてきたことがよく伝わってくる立派なプレゼンを披露してくれました。そのほかの学校も、クイズ形式で問いかける双方向型の発表を行ったり、パワーポイントを工夫するなど、それぞれが聴講者を引き付ける様々な努力のあとがうかがえました。
また、質疑応答ではこれまで以上に児童・生徒からの鋭い質問が増加。これに応える発表者側も、研究過程でわかっている部分に関してはしっかりと回答し、わかっていない部分に関しては「今後の課題とさせていただきます」と真摯に応えていました。
口頭発表終了後に行われた「サイエンスカフェ」では、「中谷財団 国際学生交流プログラムRIES(Research & International Experiences for Students)」を利用して欧米大学のラボで短期留学・研究体験をしてきた大学生・卒業生と児童・生徒たちが歓談。昨年よりも、「語学(英語)に不安があるのですが、大丈夫でしょうか」など、自身が実際に留学することを想定した、より具体的な質問が多く投げかけられていたのが印象的でした。
2日目のポスター発表には127校の539名が集まりました。
開会式後の基調講演では、睡眠覚醒を制御するオレキシンという物質の発見者である筑波大学の柳沢正史教授が「真実は仮説より奇なり~睡眠の謎に挑む~」のテーマで、睡眠に関する最新の研究や睡眠不足による負の影響などについて、時に軽妙で笑いを誘いながら、たいへん興味深いお話をしてくださいました。
講演後の質疑応答でも、小学生から高校生までの参加者から多くの質問が寄せられ、時間切れですべての質問に答えることができないほど、高い関心を集めていました。
午後のポスター発表は、一堂に127もの学校が発表する圧巻の会場。小・中・高および高等専門学校の発表には熱気がこもります。
ここでも発表者同士の質疑応答は例年にないほど盛んに行われ、小学生からの質問を受けた高校生は、「どうすればわかりやすく伝えられるのか、と考えると、同じ高校生からの質問よりも何倍も答えるのに緊張しました」と話していました。
閉会式の講評で、元武庫川女子大学特任教授の池田容子先生が「小学生から高校生まで幅広い年齢層が一堂に会して、すばらしい雰囲気の中でしっかりとしたディスカッションができるのは中谷財団の成果発表会ならではのこと。参加者のみなさんには良い経験になったのではないかと思います」とおっしゃったとおり、成果発表会での経験は、児童・生徒のみなさんにとっては今後の研究活動のみならず、ご自身の将来を決定していくうえで良い刺激になったのではないかと考えています。
なお、閉会式では「日経サイエンス賞」「敢闘賞」、また今年導入した参加者相互の投票で選ばれる「ベストセレクト賞」「グランプリ」の発表も行われました。
次回、また会場でお会いできることを楽しみにしています。
<各賞受賞校の一覧はつぎのとおり>
日経サイエンス賞
横浜市立横浜サイエンスフロンティア高等学校・附属中学校
土佐塾中学・高等学校
敢闘賞
滝川第二中学高等学校(ポスター発表部門)
岐阜県立大垣北高等学校(口頭発表部門)
順天中学高等学校(口頭発表部門)
ベストセレクト賞
京都府立桃山高等学校
沖縄県立球陽中学校
三重県立四日市農芸高等学校
兵庫県立社高等学校
グランプリ
立命館小学校