公益財団法人 中谷医工計測技術振興財団 公益財団法人 中谷医工計測技術振興財団

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2024年02月15日「第5回長期大型研究助成贈呈共同記者会見」を行いました

2024年2月13日、順天堂大学 本郷・お茶の水キャンパスで「第5回長期大型研究助成贈呈共同記者会見」を行いました。

中谷財団では、新たな技術・学術、応用分野を開くための基盤を生み出すと共に、グローバルに活躍する若手研究者の育成を目的に、「長期大型研究助成(5年間で最大3億円)」を実施しています。今回、学校法人順天堂 順天堂大学を採択し、生体システムの全細胞解析技術と医学・医療への応用を目指すイノベーション拠点「中谷生体空間オミクス*医療解析拠点(Nakatani Biomedical Spatialomics Hub:Nakatani-BSH)」を設立することになりました。

*オミクス=生体情報の網羅的解析技術の総称

 

当日の記者会見には、全国紙の新聞社や科学系雑誌の記者の方々、10社11名の方々がお集まりいただきました。順天堂大学の新井一学長、Nakatani-BSHの拠点長である同大学大学院医学研究科生化学・生体システム医科学の洲﨑悦生主任教授、中谷財団の家次代表理事、事務局長の松森が出席しました。

初めに順天堂大学の新井学長に家次代表理事より、総額3億円の目録と記念プレートが贈呈されました。続いて、洲崎悦生主任教授による研究「生体の空間コンテキスト情報を網羅解析する新規オミクス技術の開発と医工学応用」の紹介が行われました。

近年、「どの細胞がどこにどう配置されているか」という、生体組織・臓器の3次元空間情報を網羅的に解析するセルオミクス(cell-omics)技術は、生命医科学研究の新たなアプローチ手法として特に重要視されつつあります。洲崎教授は、生体組織の透明化技術とライトシート顕微鏡を用いた3次元組織全細胞イメージング技術で世界最高水準のセルオミクス技術を開発した第一人者です。

Nakatani-BSHはその洲崎教授の新規技術を核として、AI創薬・データサイエンスを専門とする東京医科歯科大学の医学研究者(清水秀幸教授)、デジタル病理学・AI病理学を専門とする長崎大学の病理学研究者(福岡順也教授)らの協働で独創的な医学・工学・情報科学の融合領域研究を進め、医学的なアンメットニーズを解決することを研究目標としています。

 

順天堂大学の新井学長から「大学としても全面的にバックアップしていきたい」という心強いお言葉もあり、将来的にNakatani-BSHが新たな技術や学術、応用分野を拓くための拠点となることが期待されます。