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2025年12月26日「2025年度 科学教育振興助成 成果発表会」を開催しました!

12月20日(土)~21日(日)、今年度の科学教育振興助成に採択された全国の小・中・高・高等専門学校が一堂に会して研究成果を発表する「科学教育振興助成 成果発表会」を開催しました。

今年度も会場となった東京工科大学 蒲田キャンパスには、2日間でのべ920人以上が参加し、過去最多となりました。

 

1日目の口頭発表では、参加希望校から抽選で選ばれた48校が参加。発表校は昨年の2会場24校から小学校3校を含む4会場48校へと倍増し、聴講の方々を合わせて360名が集いました。

発表校のなかには、動画などを駆使したよりわかりやすいスライドを用意した学校や、小道具を使って研究対象の生物を説明する学校、手話を併用したユニバーサルなプレゼンテーションを披露した学校もあり、工夫のあとが見られました。どの発表校も、この日のために練習を重ねてきた成果があらわれたプレゼンで、各会場の講評の先生方からは異口同音に「年々レベルが上がっていますね」と感嘆の声が上がりました。

発表後の質疑応答は、どの会場でも質問が絶えなかったほか、引率の先生から「うちも同じテーマで研究しているので、ぜひ協力しましょう」という協力の申し入れや、賞賛・激励の声が聞かれました。

 

1日目の最後は、財団の「国際学生交流プログラムRIES(Research & International Experiences for Students)」を利用して欧米大学の研究室で短期留学・研究体験をしてきた大学生らと参加者が交流する「サイエンスカフェ」を開催。「英語の語彙力をつけるにはどうすればいいですか」といった質問など、留学を見据えた具体的なアドバイスを求める声が飛び交っていました。

 

129校、566名が集まった2日目は、開会式後に第1回神戸賞Young Investigator賞(Y.I.賞)やイグノーベル賞生理学賞を受賞したシンシナティ小児病院  幹細胞・オルガノイド医療研究センター 副センター長の武部貴則氏による「跳ぶように発想、這うように証明!」と題した基調講演がありました。

 

iPS細胞からオルガノイド(ミニ臓器)を作製する研究に成功した際の秘話や、武部先生が開発した世界初の肝機能補助システムなどについてわかりやすい言葉で説明していただき、参加した児童・生徒や保護者、先生方も真剣な表情で聞き入っていました。

また、「活字を読むと眠くなるという弱点があって、人生でまともに読書感想文を書いたことがありません」「実はミュージシャンになりたくて、高校時代は医学部と音楽大学で進路に迷っていました」など、武部先生ご自身の経験もお話いただきました。なかでも、「高校時代は受験科目ではなかった生物をほとんど勉強してこなかったのに、生物学分野の研究者になってしまった」という話では、逆にそのおかげで教科書に書かれていることに囚われない自由な発想や定説を疑う姿勢が身についたこと、そしてそれこそが研究には大切であるということを教えてくださいました。

講演後の質疑応答では、真っ先に手を挙げた小学生の質問を皮切りに次々と質問が寄せられ、あっという間に時間切れになってしまいました。

 

午後からのポスター発表では、この会の特長である小・中・高の枠組みを超えた129枚のパネルの前で日ごろの成果を発表しました。会場は熱気に包まれ、至る所で熱心に質疑応答をする声や発表を称賛する拍手が聞こえてきました。

また、作成したアプリを参観者がインストールできるようにQRコードを準備した学校や、3Dプリンターで製作したおもちゃを手製のガチャガチャに入れて参観者を楽しませていた学校などもあり、1日目の口頭発表と同様、ポスター発表も年々工夫が凝らされた高度なものになっていました。

閉会式の総講評では、神戸大学の蛯名邦禎名誉教授が「2日間の成果発表会、楽しかった人は手を挙げてください」と呼びかけると、ほぼすべての参加者が手を挙げてくれました。各学校が工夫を凝らした発表をしたことで楽しさが増すとともに、ほかの参加者から受けた刺激や気づきも大きくなっていたようで、「あの学校の発表はすごかったな」「次は私たちももっと工夫したいね」「来年も参加したい」といった声があちこちで聞かれました。

そうした声が聞けたことや参加者のみなさんの笑顔を見られたことで、私たち中谷財団も大いに元気をいただくことができました。来年以降も、より充実した助成事業を展開するとともに、さらに活気あふれる成果発表会が開催できるよう、尽力してまいります。

 

なお、閉会式では「奨励賞」(口頭発表の部)、「日経サイエンス賞」、参加者相互の投票で選ばれる「グランプリ」「準グランプリ」の発表も行われました。

成果発表会が参加の皆様にとって意義あるものになるように、検証を重ねて参ります。来年もお会いできることを楽しみにしております。

 

<各賞受賞校一覧>

奨励賞

 群馬県立勢多農林高等学校(A会場)

 堺市立新檜尾台小学校(B会場)

 奈良女子大学附属中等教育学校(C会場)

 青森県立三本木農業恵拓高等学校(D会場)

日経サイエンス賞

 三重県立四日市農芸高等学校

 白鴎大学足利中学校

グランプリ

 奈良女子大学附属中等教育学校(ツバメ)

準グランプリ

 浦和実業学園高等学校

 立命館小学校